愛用のムチで縛れば、行き場をなくした彼の血液が白い手首を染めていくのがわかった。
皮膚一枚隔ててなお顕著な反応に、オレの心は躍っていた。

今日は、そ−ゆー気分。

そんなことを口に出せば嫌な顔をされるに決まっているので黙ってた。
ま、それでも逃げられはしないって解ってたけど。

「…おい、」

手首を頭上でまとめられ、あまつさえベッドヘッドに繋がれたことに、リボーンは困惑しているようだ。
必死に隠そうとしてるけど、オレにはわかる。彼を纏う空気がいつもより緊張していた。
まあ当たり前だけどな。
そういえばリボーンを縛るのは初めてだったかな。オレの中じゃ割とスタンダードなんだけど。
リボーンにとってはこういう時にこういうコトをされるの自体初めてなのかもしれない。
つい嬉しくなってしまい、フ、と笑えば、見咎めたリボーンの眉間に皺が寄った。

「どーしよーもないヘンタイだな、お前は。」

…その台詞はちょっと傷付くかも。反論できないぶん、厳しい。
相手を縛る行為は好きだ。
まるで自分の所有物みたいに錯覚することができるから。
割りに支配欲が強いんだろうな、オレって男は。
こうするだけでこんなに燃えたのは、リボーンに対してが初めてだけど。

「しょーがねーよ。こーいうのもオレの一面って事じゃん?」

開き直り、組み敷いた彼のしかめ面へキスをした。
リボーンのわずかな身じろぎがムチを伝わり、ベッドヘッドを軽くきしませた。
戸惑っては、いる。でも、本気で嫌がってはない。
というよりも経験がないから、これから始まることが自分にとってイイもんかどうかもわかんないんだな、多分。

ムチの食い込む手首をそっとなぞる。明日は鬱血しているかもしれないな。

「暴れたら怪我するから。…大人しくしててな」
「…」
「やさしくするって」
「説得力のカケラもねー…」

ほんとだって。何事も最初が肝心なんだから。
ここでヘタ打ったら、次に繋げないじゃないか。オレだって切実なんだよ、色々と、さ。





2006年8月11日 ブログUP




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